花粉症の季節を植物の力で快適に過ごすフィトテラピー講座

くしゃみに鼻水、涙に頭痛。季節は日に日に春へと向かい、心が浮き立ってくるはずなのに、花粉症のせいで体調も気分も低空飛行……。早い人は2月から始まり、5月のゴールデンウィークが過ぎるころまで。この数カ月にわたる不調のスタートを目前に、戦々恐々、あるいはげんなりしている人も多いのではないでしょうか。昨今、花粉症対策用の薬やサプリメントはたくさんあるけれど、フィトテラピー(植物療法)にも効果的なケアは豊富です。

力強く、穏やかに作用する植物成分

花粉症 フィトテラピー
フィトテラピーは、植物が作り出す薬効成分を活用した伝承療法。ほんの150年ほど前に最初の合成薬「アスピリン」が作り出されるまで、世界中で長く医療と薬の中心でした。植物成分は私たちの体と親和性があり、また多様な成分が包括的に働きかけるため、作用は力強く、幅広く、それでいて薬よりも穏やか。症状をやわらげつつ、体全体を調え、心や感情にも働きかけるその卓越した機能性は、今の科学をもってしても再現することは困難です。何より、ふだんからとても身近で、目、香り、味わいで私たちを楽しませてくれる植物を用い、自らと家族を手当てする。それは女性として、とても心安らぐ時間です。

症状に合わせてカスタマイズできるハーブティー

そんなフィトテラピーの中で、花粉症ケアの定番ハーブティーといえば、以下の5つ。

・エルダーフラワー
・エキナセア
・ジャーマンカモミール
・ペパーミント
・ネトル

摂り入れるときは、多様な成分の相乗作用が期待できるブレンドがおすすめです。

エキナセア+ネトル(1:1)
花粉症の予防に。

エルダーフラワー+ネトル(1:1)
鼻水と涙の緩和に。

ジャーマンカモミール+ペパーミント+ネトル(1:1:1)
かゆみ、頭痛、鼻づまりに。

すべてに含まれるネトルは、ブレンドの“名脇役”といえる存在。ビタミンとミネラルが豊富で、老廃物や毒素の排出に長けているため、体全体の循環をよくし、アレルギー体質の改善が期待できます。

症状改善のために飲むハーブティーを入れるときは、揮発成分を逃さないよう、必ずポットのフタをして。浸出時間は少し長めに、5〜10分。有効成分は一度で出きってしまうので、一煎目で飲みきるのもポイントです。用いるハーブはもちろんオーガニックか無農薬、野生種のいずれかを。そしてなるべく色褪せの少ないものを選びましょう。私自身はフランスのハーブ専門薬局から取り寄せることが多いけれど、日本で購入するときは「コスメキッチン エルボリステリア」「マリエン薬局」「リアン」「ハーブマイスターセンター」のものが中心。


「リアン」のエルダーフラワー。フランス・ブルターニュの野生種を手積みし、丁寧に乾燥させています。エルダーフラワーは発汗作用が高く、風邪、とくにインフルエンザに効果的なことでも有名。

ハーブティー以外では、以下の2つも重宝します。

鼻づまりにユーカリのエッセンシャルオイル

鼻汁を溶かし、呼吸をスムーズにしてくれるユーカリは鼻づまりに効果てきめん。スーッとした爽快な香りも心地よく、頭をすっきりさせてくれます。ユーカリは皮膚への原液塗布が可能(※要パッチテスト)なエッセンシャルオイルなので、適量を鼻のまわりに塗布するほか、マスクに2、3滴垂らすのも◎。成分組成の異なる2種類があり、「ユーカリ グロブルス」は刺激と爽快感が強く、「ユーカリ ラジアタ」は比較的穏やかという特徴があります。初めて使う人、敏感肌の人、子どもに使う場合はラジアタを、刺激に強く、爽快感を好む人はグロブルスを……と選び分けてみて。

目のかゆみに矢車草の浸出液、フラワーウォーター

矢車草は矢車菊、コーンフラワー(フランス語ではブルーエ)とも呼ばれるブルーの花。疲れ目や結膜炎など、目のトラブルのケアに重用されてきたハーブで、冷ました濃い浸出液(ハーブティー)とフラワーウォーター(芳香蒸留水)は、目の洗浄や湿布に用いることが可能です。目に直接触れるものですから、品質にはとくに留意を。フラワーウォーターは、フランスの薬局方に則り、ハーブと水を1:1の比率で蒸留した「アロマフランス」のものが安心です。

花粉症 フィトテラピー
フランスで薬剤師やドクターが利用するメーカー「フィトサンアローム」のユーカリ グロブルス〈野生〉と、「アロマフランス」の矢車草ウォーター。マスクはふんわりとした肌触りが心地よく、耳あたりが気にならない「プリスティン」のオーガニックコットン製。

植物の力とともに、日々の心がけも大切

花粉症をはじめとするアレルギー疾患は、免疫の不具合が大きな要因とされ、ストレスや有害物質の蓄積が症状を助長するといわれます。食物繊維たっぷりの食事を摂り、毎朝きちんとデトックスして免疫の要・腸内環境を整えたり、ほっとする時間、心地よい時間を大切にするのも予防と症状の緩和に有効です。植物の力と日々の小さな心がけで、憂うつな季節を少しでも快適に過ごせますように。