気になるグルテンフリー事情

グルテンフリー

日本でヘルス思考が高まるにつれて、「マクロビオティック」や「糖質制限」など、さまざまな食事療法が身近なものになりました。特に数年前からよく耳にするのが、「グルテンフリー」というキーワード。グルテンフリーとは、簡単に言うと“小麦粉に含まれるグルテンを摂らない食事法”のことです。

グルテンは、グルテニンとグリアジンという2種類のタンパク質が組み合わさって構成されたもの。普段の日常生活でもグルテンは多様な場面で活用されており、パンやケーキが膨らむのはこのグルテンのおかげ。主に小麦や大豆などに含まれています。

しかし、グルテンが引き金となって、体調不良や疾患の症状があらわれることも。具体的には、自己免疫疾患である「セリアック病」や、「リーキーガット症候群」などが挙げられます。リーキーガット症候群とは、小腸の粘膜に穴が空き、通常だったら体内に入らないようなバクテリアや毒素などが、血中に漏れてしまうことによって起こるアレルギー症状のこと。グルテンのほか、砂糖やアルコールなども原因になると言われています。

肥満とグルテン―アメリカの深刻な社会問題

グルテンフリー
もちろん、先述のようなアレルギー症状もフォーカスすべき点ではありますが、「グルテンフリー」発祥の地・アメリカでグルテンフリーが広まったのは、人口の約3分の2が肥満という切実な社会問題が大きいと、美容関係者の石川雅子さんは指摘しています。

石川さんは、2017年までアメリカのフィラデルフィアに住み、実生活でアメリカの食事情を目の当たりにしてきました。
「シリアスに健康問題が突きつけられているアメリカでは、食事療法はやらざるを得ない状況。『グルテンフリー』を含め健康法は、そういう意味でとても広がりやすい傾向にあります。宗教と健康法が結びついているから、食事療法がベーシックになりやすいんですよね」

石川さんによると、アメリカ全土に270店舗以上を構える巨大チェーンのグロサリー・ストア「Whole Foods(ホールフーズ)」はもちろんのこと、アメリカでは中小企業のスーパーにもグルテンフリーコーナーが当たり前のように設けられているのだそう。

「ホールフーズのような高級スーパーに来る富裕層だけでなく、街場のローカルなレストランにもグルテンフリーメニューが必ず1つや2つはあります。さらに全米レベルでパスタが有名なトラットリアですら、グルテンフリーの方のためのメニューが別に用意されているなど、食の業界ではすでにグルテンフリー対応がデフォルトになっています」(石川さん)

ホールフーズではグルテンフリーフードが2桁成長を遂げているということからも、国民への浸透度の高さがわかります。

日本では、アメリカほど肥満の割合が高くないため、深刻度も比較的低いと言えますが、急激な食の欧米化により小麦粉製品が市場に溢れるようになった影響で、アメリカで見られるセリアック病やリーキーガット症候群を引き起こす人が増加傾向にあります。

長年、世界のトップに君臨してきたテニスプレイヤー、ノバク・ジョコビッチ選手が、自身の著書『ジョコビッチの生まれ変わる食事~あなたの人生を激変させる14日間プログラム』の中で、グルテンフリーの食事法を取り入れていると世界に発信したことも大きく影響し、グルテンフリーは日本でもかなり市民権を得るようになりました。

グルテンフリー生活を経て思うこと

グルテンフリー
3年前、実は私自身もグルテンにアレルギー反応を起こし、グルテンフリー生活を送っていたことがあります。大好きなパンや麺類などをはじめ、醤油やドレッシング、お惣菜などあらゆるものに小麦粉が含まれているため、それらを避けて食事をするのにとても苦労したことを覚えています。

一番苦しめられたのは、ひどい痒み。それまでパンが大好きで、食べすぎると吹き出物などが出てくることがあったのですが、それがさらに悪化してしまいました。今までに感じたことのない全身の痒みに、グルテンだ!とピンときて、さすがに我慢できず、泣く泣く大好きなパンを絶ちました。

1ヶ月ほどグルテンフリー生活を送っているうちに、肌の痒みは引きました。
それからも小麦粉製品はできるだけ避けるようになり、どうしてもパンが食べたいときは米粉のパンなどをチョイス。パスタ、うどん、そばなどの麺類はほぼ口にしなくなりました。痒みが治まっただけでなく、いつも感じていた“膨満感”が消えたことも印象的でした。
最近では周囲でもグルテンフリーの食生活を取り入れる人が少しずつ増え、体調が良くなったという声をよく聞ようになりました。

ただ、1つ強調しておきたいのは、小麦粉(グルテン)を悪者にするつもりはないということです。小麦粉は人類の発展の中で、有用な炭水化物やタンパク源を持つ食材として活用されてきましたし、「食」において小麦粉が果たす機能は、とても大きいもの。

洋菓子は食べたいし、パンも食べたい!
「好きなものを食べる」という人生の楽しみを断ちつづけることは、本意ではありません。アレルギー症状を起こさないように、気をつけながらもたまに食べる、という“ゆるグルテンフリー”に切り替えることで、食べる幸せを取り戻しました。

グルテンフリーなグルメ

モロヘイヤ玄米パスタ

pasta
250g 391円+税
/アムリターラ
https://www.amritara.com/

タイのオーガニック農場で、農薬・化学肥料未使用で栽培されたモロヘイヤと、玄米を原料に製造された平打ちタイプの玄米麺。玄米を劣化させないために、製粉せず炊き上げてから製麺するというこだわり製法。さらにβカロテン、ビタミンB群、鉄、カルシウムといった豊富な栄養価を持つモロヘイヤを加えることで、栄養と風味がグンとアップ。パスタやフォー、炒め麺としても◎

健美腸FINE SWEETSセット 美腸クッキー 3本入り

organic
3,612円+税
/ナチュラカート
https://naturacart.com/

腸内環境のエキスパートである小林メディカルクリニックの院長、小林暁子先生が考案したグルテンスイーツ。チアシードのクッキー、発芽玄米&カレンツのクッキー、旬のフルーツを使用したグラノーラの3個セット。原材料はほぼオーガニックのもので、甘味は有機メープルシロップをメインで使用。現代人に不足しがちな食物繊維を気軽に美味しく摂れます。
 
 
グルテンに限らず、どんな食材についても言えることですが、過剰摂取はバランスを崩します。
明らかに小麦粉の多い食生活を見直すきっかけに、選択肢の1つとして、グルテンフリーという食事療法を頭の隅に入れておくのはいかがでしょうか?